【動画】オーディション番組 アイドル誕生の「沼」
【連載】オーディション番組 アイドル誕生の「沼」
「普通の子」がアイドルになっていく過程が視聴者の人気を呼ぶ一方で、問題点も指摘されています。番組出演の経験者はいま、何を思うのか。ファンの熱狂の理由は。インタビューなどを通して追います。
日本でも大きなムーブメントを起こしているアイドルオーディション番組。最近では、アイドルとして一度デビューした後で、オーディション番組に挑戦する人もいる。デビューできたにもかかわらず、新たなステージに挑戦するのはなぜか。
俳優の矢吹奈子さん(23)は、「HKT48」に所属していた2018年に韓国のアイドルオーディション番組「PRODUCE 48」に参加し、同年に韓国人9人と日本人3人のグループ「IZ*ONE」としてデビューした。当時の心境や韓国でのアイドル生活について聞いた。
――「PRODUCE 48」に挑戦しようと思った経緯を教えてください。
(AKB48グループの)事務所がコラボしてオーディション番組を開催するという話をグループ内で聞きました。当時ちょうど、韓国のアイドルオーディション番組を見ていて、「韓国の人たちはデビュー前の練習生でも実力があるんだ」と知ったんです。話を聞いて、迷いなく受けたいと連絡しました。
――当時の所属グループでも活躍していました。
正直、伸び悩んでいたんです。選抜に入っていたり、ソロ曲をもらえたりはしていたものの、総選挙の順位が落ちていた。外からは順調に見えていたかもしれないけど、実力が足りなくて、悔しかったんです。だから、何か変えたい、新しい挑戦をしたいと思いました。
――実際に飛び込んでみてどうでしたか。
視聴者の投票によってデビューが決まるというのは、これまで経験したことがなかったので新鮮でした。
(挑戦者)96人の中から(視聴者にとっての)一人に選ばれなければいけないので、ただうまくやればいいわけでもなくて。自分の中で、生き残るために他人とは違う武器を見つけようと思いました。
――自分の武器とは。
韓国のアイドル文化を知らなかったので、まずは自分らしさ、日本のアイドルのよさを出そうと思いました。
私は背が小さくて、当時の韓国アイドルにはあまりいないタイプでした。逆にそれを「いい」、「奈子らしい」って言ってくれる人もいた。それを信じて自分らしさ全開で行こうと思いました。
それからは、「かわいい系」のイメージで攻めようとがんばりました。それが思ったより好評で、こういう雰囲気を好きでいてくれる方もいるんだと知ることができました。
矢吹さんは、最終順位6位で「IZ*ONE」デビューを果たしました。過酷な状況の中で精神を維持した方法や、韓国でのアイドル活動の中で印象に残っていることなどを語ります。
■「自分で自分を愛してあげる…